筋トレを行うと最初に起こるのは、神経系の適応です。
前述のように筋肉を構成する筋繊維の動きは運動神経によってコントロールされていますが、運動に運動神経が適応していないと十分な筋繊維を動員できません。
でも、何回か筋トレをしているうちに運動神経がその動きを覚えて、より多くの筋繊維を動員できるようになります。
多くの筋繊維を同時に使うほど、大きな力が出せるため、神経系の適応が起こると、少しずつ回数やウエイトが増えるのです。
ただし、神経系の適応が起こっている間に筋肥大がまったく進んでいないわけではありません。
ミクロレベルでは、1回の筋トレでも筋肥大は起こっています。
でもミクロの筋肥大がマクロになり、明らかに大きくなったと自覚できるようになるまで、2ヶ月ほどかかるのです。
筋肥大が自覚できたら「きちんと効いているから頑張ろう」とやる気になれます。
それまでは筋トレでの結果ではなく、プロセスに目を向けます。
スケジュール帳やカレンダーなどに行った種目や回数を記録するのです。
これは「行動モニタリング」と呼ばれるやり方。
最新の心理学では、自らの行動をセルフモニタリングして、自分の頑張りを”見える化”することは、モチベーションを高めることがわかっています。
ポイントカードにポイントがたまると嬉しくなるように、スケジュール帳やカレンダーに、サボらないで筋トレを行っている記録を自ら残していくと、嬉しくなって運動への意欲が維持されるのです。